SNSや飼育本などで、赤い目のうさぎを見たことはありませんか?
昔、小学校で飼われていたうさぎが赤い目をしていた…なんて話も聞きますよね。
でも、どうして目が赤いのかまでは、よく知らない人の方が多いのではないでしょうか。
「なんだか怖い…」など、ちょっとネガティブな意見もある赤い目のうさぎ。
でも実は、その赤い目にはちゃんとした理由があるんです。
この記事では、赤目うさぎたちの仕組みや背景を、分かりやすく解説していきます!
赤い目のうさぎがいるのはなぜ?

現在ではあまり見かけなくなった、赤い目のうさぎ。
でもなぜ赤い目のうさぎがいるのか、気になった方も多いのではないでしょうか。
うさぎの目が赤いのは、一見すると特別な特徴に感じられますよね。
ですが、赤い目にはちゃんとした「生まれつきの理由」があるんです。
この章では、なぜ赤い目のうさぎがいるのか詳しく解説します!
赤く見えるのは血管が透けているから
うさぎの目には「虹彩(こうさい)」という、目の色を決める部分があります。
この虹彩に含まれるメラニン色素の量が極端に少ないと、虹彩自体がほとんど透明になってしまいます。
するとその奥にある毛細血管の色が、そのまま表に見えるようになり、目が赤く見えるというわけです。
赤い色は「何かの異常」ではなく、色素が少ないために本来見えないものが透けて見えているだけなのです。
これが、「赤い目の正体」です。

だから赤く見えるんだね

あたいたちと体質が違うのね
目の色はメラニンの量で決まる
うさぎの目の色は、生まれつきの体質によって決まります。
具体的には、「虹彩にどれだけメラニン色素があるか」で以下のように見え方が変わります。
- メラニンが多い → 黒や茶色の目になる
- メラニンがほとんどない → 血管が透けて赤く見える
赤い目のうさぎは、まさにこの「メラニンが極端に少ない状態」なのです。
人間の「赤目現象」と同じ仕組み
カメラのフラッシュを使ったときに、人の目が赤く写ることがありますよね。
これは「赤目現象」と呼ばれ、網膜の血管が光に反射して見えている状態です。
赤い目のうさぎも、同じように“血の色”が透けて見える仕組みです。
つまり特別なことではなく、光の性質と体質が合わさって起きる自然な現象。
中には「何かの病気?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
ですが、これは病気ではなく、れっきとした生まれつきの体質によるものなのです。

それで赤く見えるんだね

なんだか不思議ね
赤い目のうさぎは珍しい?どれくらいいるの?

ペットショップや飼育本などでは、ほとんどのうさぎは黒や茶色の目。
対して、「赤い目」のうさぎはあまり見かけないという印象ですよね。
実際、赤い目を持つうさぎはどれくらい存在しているのでしょうか。
この章では、赤い目を持つうさぎの割合や、その背景について解説していきます!
赤い目のうさぎはごく一部だけ
結論から言うと、赤い目を持つうさぎは全体の中でもごく一部の存在です。
ほとんどのうさぎは黒目、または茶色など濃い色の目をしています。
これは自然界で目立ちすぎず、外敵から身を守るために有利な特徴とも言われています。
ちなみに我が家のうさぎも、2匹とも目は茶色っぽい色合いをしています。
2代目のうさぎは小さい頃は灰色っぽい目の色でしたが、成長するにつれて普通の茶色になりました(笑)

どんな目の色でもうちの子は可愛い

当たり前よね

当たり前でし
赤い目のうさぎは3つのタイプがある
赤い目を持つうさぎは、いくつかの特定の品種や体質によって生まれます。
代表的なものが、以下のようなケースです。
- アルビノ(先天的に色素を持たない体質)
- ジャパニーズホワイト(日本で作出された白毛・赤目の品種)
- ヒマラヤン(体の先端に色が入っている、目が赤い品種)
これらのうさぎ以外では、赤い目を持つ個体はほとんど見られません。
そのため、「赤目=珍しい」と感じられるのも無理はないのです。

今ではほとんど見かけなくなったね

もともと赤目は珍しいものね
赤い目のうさぎ:アルビノとは?

「アルビノ」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
言葉では聞いたことはあっても、実際にどんなものなのかは分かりにくいですよね。
アルビノは特定の動物に限らず、遺伝的な体質として、さまざまな生き物に現れます。
ここでは、赤い目のうさぎとも関係する「アルビノ」という体質について詳しくご紹介します!
先天的にメラニンが作られない体質
アルビノとは、体内でメラニン色素をつくる遺伝情報が欠けている状態を指します。
メラニン色素は、私たちの髪や肌、動物の毛や目の色をつくる元になるものです。
これが作られないと、以下のような見た目になります。
- 毛や皮膚に色がつかず、白くなる
- 虹彩の色が非常に薄いため、血管が透けて赤い目になる
つまり、赤い目と白い毛は「体質による自然な現象」なのです。
うさぎ以外にも見られるアルビノ
アルビノ体質は、うさぎに限ったものではありません。
うさぎ以外にも、さまざまな動物でアルビノ個体が存在します。
以下はその一例です。
- ハムスター
- モルモット
- 小鳥(文鳥など)
- ヘビやカメなどの爬虫類
- 人間
見た目が特別で神秘的なため、「特別な存在」として扱われることもあります。
が、基本的には体質の違いであり、病気ではありません。
美しさと引き換えの脆さを持つ
アルビノ体質の動物たちは、その外見から「特別」「幻想的」といった印象がありますよね。
しかしその裏には、自然の中で生き抜くには不利な体質が隠れているのです。
赤い目と白い体は、見た目としては印象的な美しさ。
ただ、実際には光に敏感でストレスを受けやすく、環境変化にも弱いという特徴があります。
そのため野生ではなく、人の手によって守られた環境でこそ、アルビノの個体は長く生きることができるのです。

綺麗だけど、生きていくのは大変なんだね
赤い目のうさぎ:ジャパニーズホワイトとは?

「赤い目の白いうさぎ」と聞いて、多くの人が思い浮かべる姿。
それは、まさにジャパニーズホワイトといううさぎの品種です。
このうさぎは、アルビノ体質を持ちながら、品種として確立された存在です。
ここでは、その背景や特徴をわかりやすくご紹介します。
日本で生まれた赤目の品種
ジャパニーズホワイトは、日本国内で開発された品種です。
もともとは研究用途のために作られた品種で、真っ白な毛と赤い目が特徴的です。
性格が穏やかで扱いやすく、病気の少ない個体が選抜されてきました。
この品種はアルビノ体質を持っています。
そのため、見た目がいわゆる「アルビノうさぎ」と似ていますが、「品種名がある」という点がポイントです。
アルビノとアルビノ体質の品種は違う
よくある混同として、「ジャパニーズホワイト」と「アルビノ体質」は同じだと思われがち。
ですが、実際には異なります。
- アルビノ:メラニンが作られない“体質”
- ジャパニーズホワイト:アルビノ体質を持つ“うさぎの品種”
つまり、アルビノという言葉は体質を表しているのに対して…
ジャパニーズホワイトは、その体質をもとに計画的に作られた品種だということ。
そのため、見た目こそアルビノうさぎと似ていますが、血統と目的がある品種として位置づけられています。
あくまでもジャパニーズホワイトは品種、と覚えておくと分かりやすいかもしれません。
ペットとしての魅力と飼育事情
ジャパニーズホワイトは、かつては学校や一般家庭、実験機関などで広く飼育されていた品種です。
丈夫で人に慣れやすく、穏やかな性格から教育現場の動物としても多く活躍していました。
しかし現在では、以下のような理由から一般家庭で見かける機会は少なくなっています。
- 現在のペット市場では小型の品種が主流
- ネザーランドドワーフ
- ロップイヤーラビットなど
- ジャパニーズホワイトは中~大型種なのでスペースが必要
- 流通量自体が減少し、ペットショップなどでの入手が難しい
そのため、現在では特定のブリーダーや研究施設で飼育されていることが多い状況です。
なお、赤い目や白い毛などの見た目が特徴的なことから、ビジュアル面に惹かれる人も多い品種です。
ただし、アルビノ体質の影響で光に敏感なため、強い光やストレスを避けた飼育環境を整える必要があります。

確かに、小型の子を多く見かけるようになったね
赤い目のうさぎ:ヒマラヤンとは?

赤い目のうさぎといえば、真っ白な体のイメージが強いですよね。
実際に、先ほどご紹介したアルビノ体質もジャパニーズホワイトも、体は真っ白です。
しかし、実は部分的に黒い毛を持ちながら赤い目をしているうさぎも存在します。
それが、「ヒマラヤン」という品種です。
特徴的な毛色と赤い目が共存する品種
ヒマラヤンは、体は白く、耳・鼻・足・しっぽに黒や濃い茶色のポイントカラーが入る独特な見た目。
しかし、目は透き通った赤い色をしてています。
ジャパニーズホワイトなどと同様に、メラニンが少ない性質を持っているとされています。
ヒマラヤンの特徴的な毛色は、体温の高い部分では色素が抑制され、低い部分で発現します。
そのため、体の低い部分にだけ色があり、他の部分の毛色は白くなるのです。
「赤目」であることに変わりはない
ヒマラヤンは外見だけ見ると、白黒または茶色のツートーン。
ですが、目が赤いので「赤目のうさぎ」に分類されます。
ただし、完全なアルビノ体質ではありません。
部分的にメラニン色素を持つという点で、他の赤目うさぎとは異なります。
- アルビノ:全身が白く、色素がない
- ジャパニーズホワイト:アルビノ体質の白いうさぎ
- ヒマラヤン:一部に色素があるが、目は赤い
このように、赤い目を持つうさぎの中でも、ヒマラヤンは独自の位置づけを持つ存在なのです。
ヒマラヤンもペットとして人気が高い
ヒマラヤンは、その見た目の美しさや温厚な性格から、ペットとしても人気があります。
飼育にあたっては、赤い目を持つ点で光への配慮が必要であることは、他の赤目うさぎと同様です。
- 強い日差しや照明を避ける
- ストレスの少ない静かな環境を整える
- 毎日の観察で体調管理を行う
赤い目のヒマラヤンも、正しい知識と配慮があれば安心して飼えるうさぎです。
ただし、こちらも非常に珍しい品種。
いざ飼おうと思っても、なかなか出会えないのが現状ではあります。

飼育本なんかではよく見るんだけどなあ
それぞれの体質と品種を表で比較

「赤い目のうさぎ」と一口に言っても、異なる背景や特徴を持つ複数のタイプが存在することが見えてきました。
ただ、それぞれの違いがまだ少し曖昧だと感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、3種類の赤目うさぎを表で比較してみましょう!
赤い目でも背景や体質はそれぞれ違う
3種類のうさぎは、いずれも「赤い目」をしている点は共通しています。
しかしその理由や体質、品種としての成り立ち、見た目などには明確な違いがあります!
項目 | アルビノ | ジャパニーズホワイト | ヒマラヤン |
---|---|---|---|
分類 | 遺伝的な体質(品種ではない) | うさぎの品種名(アルビノ体質を持つ) | うさぎの品種名(部分的に色素がある) |
目の色 | 赤(血管が透けて見える) | 赤(アルビノ体質による) | 赤(体質によりメラニンが少ない) |
毛色 | 全身真っ白 | 全身真っ白 | 白+耳・鼻・足・しっぽに濃い色(ポイントカラー) |
発生対象 | うさぎ以外の動物にも見られる | うさぎに限定される | うさぎに限定される |
飼育時の注意点 | 光に弱い・視覚がやや弱い | 同様の配慮が必要 | 光への配慮が必要・温度変化で色が変わることも |
「赤い目=アルビノ」だけではない!
このように、見た目は似ていても背景にはさまざまな違いがあります。
つまり、「赤い目のうさぎ=アルビノ」という単純な図式では語れないのです。
また、ヒマラヤンのようにポイントカラーを持ちながら赤目であるうさぎの存在は、赤目の原因が一律ではないことを示しています。
それぞれの違いを知ることは、見た目の可愛さだけでなく、飼育に必要な理解や配慮にもつながります。
赤い目の理由がわかると、うさぎへの理解がより深まり、パートナーとしての絆も強くなりますよね。

うさぎは奥が深い動物だなあ

そこも私たちの魅力なのよね

そうでし!
まとめ

うさぎの目が赤い理由にはメラニン色素が関係している
赤い目のうさぎは病気ではなく、主に「アルビノ」などの遺伝的な体質によるものです。
虹彩にメラニン色素がないので、目の血管が透けて赤く見えるのが特徴です。
また、赤い目を持つうさぎは特定の品種に多く見られ、体質や外見にも違いがあります。
体の仕組みや背景を理解することで、より身近にうさぎを感じられるようになったのではないでしょうか?
あなたが素敵なうさぎライフを送れることを、心から願っています!