ケージを噛む音がうるさくて眠れない!

その気持ち、とてもよく分かります…
「ガジガジ…」夜中に響くあの音。
うさぎのことは大切だけど、眠れない日が続くと正直つらいですよね。
ケージをかじる音に悩まされている飼い主さんは、実はとても多いです。
この行動にはちゃんと理由があり、原因ごとに対策を工夫すれば、うさぎとの生活がぐっと快適になります。
この記事では、10年以上うさぎと暮らしてきた筆者の経験を交えながら、「なぜケージを噛むのか?」「どうしたらやめてくれるのか?」を、初心者にも分かりやすく解説します!
なぜうさぎはケージを噛むの?5つの主な理由

ケージを噛むうさぎを見ると、「ストレス?それとも癖?」と不安になりますよね。
実は、うさぎがケージを噛む行動にはいくつかの原因が考えられます。
ここでは、特に多く見られる5つの主な理由を分かりやすく解説します!
アピールしたい
うさぎは、私たちが思っている以上に賢くて感情豊かな生き物です。
ケージを噛むことで「ここにいるよ!」「出して!」とアピールしていることがあります。
特に飼い主が近づいたときや朝・夜などに噛む場合は、“自分の意思を伝える手段”として学習している可能性が高いです。
たとえば、うさぎがケージをガジガジした直後に、つい「どうしたの?」と声をかけたり、外に出してあげたりしていませんか?
それが続くと、「噛めば構ってもらえる」と覚えてしまうのです。

うーちゃん、よくやってました

言うこと聞きなさいよ!
退屈・刺激不足
ケージの中で長時間過ごしているうさぎは、とにかく退屈しがち。
その結果、暇つぶしとしてケージを噛むことがあります。
人間で例えると、スマホもテレビも本もない部屋に閉じ込められているようなもの。
刺激がないと、自然とストレスもたまってしまいますよね。
特に何か噛めるものがなかったり、遊ぶおもちゃがない場合、ケージそのものが「噛んで遊ぶ対象」になってしまうのです。

うさぎの暇つぶし…

音が鳴ると楽しいんでし
発情・ホルモンの影響
思春期や発情期のうさぎは、ホルモンの影響で落ち着きを失いやすくなります。
その結果、同じ場所をガジガジ噛み続けたり、攻撃的になったりすることがあります。
特に生後4〜6か月以降の若いうさぎによく見られる行動です。
個体差はありますが、発情期には環境に敏感になり、些細なことでイライラする傾向があります。
去勢・避妊手術を受けていない場合、この影響が長引くこともあるため、ホルモンバランスも行動の大きなカギとなります。

うーちゃん、よくイライラしてたね

何か噛みたい気分
運動不足
ケージ内だけでは、うさぎが本来持つ運動欲求を十分に満たすことはできません。
体を動かす機会が足りないとフラストレーションが溜まり、それを解消しようとしてケージを噛むようになります。
特に、日中ずっとケージの中で過ごしている子ほど注意が必要です。
うさぎはおとなしいというイメージを持たれがちですが、実際は走ったり跳ねたりすることが大好きな動物。
部屋んぽの時間が足りていないなどで、運動不足になっているのかも知れません。

ふーちゃんも、運動不足にならないようにしないとね

あたいはあんまり動きたくないの
夜行性ゆえの活動時間のズレ
うさぎは薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)という習性を持っています。
これは「明け方と夕方に活動が活発になる」という意味です。
つまり、飼い主が寝静まる頃にうさぎは元気になる…という時間のズレが起きるのです。
この時間帯に暇を持て余すと、ケージを噛んで音を立ててしまう原因になります。
特に夜間や早朝にガジガジと音を立てる場合は、この“活動リズムの違い”が根本にあるかもしれません。

よく夜中に音で起こされました

夜になると騒ぎたくなるのよね
ケージを噛むのを放置するとどうなる?リスクと弊害

「ケージを噛むのはうさぎの癖みたいなものだし、まあいいか」と放置していませんか?
しかし、この行動をそのままにしておくと、うさぎにとっても飼い主にとっても大きなトラブルにつながることがあります。
ここでは、ケージを噛む行動を放っておくことで起こり得る、3つの重大なリスクについて解説します。
不正咬合
不正咬合(ふせいこうごう)とは、歯の噛み合わせがズレてしまう状態のこと。
うさぎの歯は一生伸び続けるため、かじることで自然に削る必要があります。
しかし、ケージの金属など硬すぎるものを噛み続けると、歯が斜めに削れてしまうことがあります。
その結果として…
- 前歯や奥歯が異常な角度で伸びてしまう
- 食事がしづらくなり、食欲不振になる
- 口の中を傷つけて出血や膿がたまることもある
といった状態になってしまうことも。
この状態になると、定期的に病院で歯を削る処置が必要になるため、うさぎにも飼い主にも大きな負担となってしまいます。

うさぎのためにも、これは避けたいですよね
騒音・ストレス
ケージをガジガジ噛む音は、想像以上に大きく響きます。
特に深夜や早朝など、静かな時間帯になると、金属のこすれる音が部屋中に響いてしまいます。
これによって…
- 飼い主の睡眠が妨げられ、慢性的なストレスに
- 家族や近隣住民からの苦情につながる可能性も
- うさぎ自身も「噛む → 飼い主が反応 → 期待外れ → さらに噛む」の悪循環に陥る
といった状態になってしまうことも。
つまり、噛むことがストレスの原因であり、結果でもあるという悪循環が生まれてしまうのです。

ケージのガジガジ音、意外と響きます
ケージ破損・誤飲リスク
ケージの素材によっては、噛み続けることで破損や変形が起こることがあります。
一部が剥がれて金属片やプラスチック片が飛び出し、それをうさぎが誤って飲み込んでしまう危険性も。
こういった異物を飲み込むと…
- 胃や腸に詰まり、緊急手術が必要になることも
- 消化器の損傷、内出血のリスク
といったことも考えられます。
さらに、ケージの一部が壊れることで足を引っ掛けて怪我をする事故も有り得ます。
うさぎの安全を守るためにも、「噛んでも問題ないだろう」と軽く考えるのは非常に危険です。

これは絶対に避けたいですよね…
このように、「たかがケージを噛むだけ」と放置すると、命に関わる問題や長期的なストレスにつながってしまう可能性があります。
だからこそ、早めに原因を見極めて、適切な対策を取ることがとても大切なのです。
うさぎがケージを噛む!対策を優先順に紹介

ケージを噛むうさぎに対して、「今すぐにでも何かしたい!」と感じるかもしれません。
それでも、いきなりすべてを変えるのは難しいですよね…
そこで、ここでは初心者でも取り組みやすいシンプルかつ効果的な対策を、優先順位をつけて段階的に紹介します!
初級:まずはこれだけでも
うさぎがケージを噛むのは、最初は「飼い主の反応を引き出す手段」であることが多いです。
まずは反応せず、環境をほんの少し工夫するだけでも大きく改善するケースがあります。
ここでは、うさぎ飼い初心者さんが最初に取り組みやすい方法をご紹介します。
飼い主の反応をやめる
うさぎはとても賢く、「ケージを噛めば飼い主が来てくれる」と学習してしまいます。
ですので、目を合わせず、声もかけず、完全に無視することがポイントです。
ただし、ケガや病気などの異常がないかは事前に確認しておくことが前提です。
最初は心苦しいかもしれませんが、根気良く続けることが大切です。
ケージカバーや大きな布を活用する
金属製ケージの音は意外と響くもの。
特に深夜や早朝のガジガジ音に悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、ケージをすっぽり覆えるケージカバーや、大きな布を使った対策です。
- うさぎの視界を遮ることで「構って要求」が減る
- 音の響きが軽減されて、家族や近隣への迷惑も減る
- 光や冷気を遮って快適な空間に
但し、ケージカバーや大きな布でケージを覆う場合は、通気性を損なわないように注意してください。
- マンションやアパートで飼っている
- 夜間に騒音で起きてしまう
- 「構って要求」の視線を遮断したい
サイズが合えば以下のようなケージカバーが便利ですし、合わない場合は大きな布でも代用可能です。
かじり木をケージに取り付けてみる
うさぎは本能的に「何かをかじる」ことでストレス発散や歯の健康を保っています。
ケージをかじらせたくないなら、「かじってもいいもの」を代わりに用意してあげるのが一番効果的です。
特に便利なのが、ケージの金網に固定できる「取り付け型かじり木」です。
- ケージの一番よく噛む場所に取り付けられる
- 自然素材で安全、歯のケアにもなる
- 形や素材の種類も豊富で、うさぎの好みに合わせやすい
我が家もケージの扉にかじり木を取り付けています。
以前は出して欲しいときはケージを噛んでいましたが、今はかじり木を優先して噛んでくれています。
- ケージの同じ場所ばかりかじる
- おもちゃをすぐに飽きてしまう
- かじる音だけでも静かにしたい
中級:環境を見直す
初級対策でも改善が見られない場合は、うさぎの生活環境そのものを見直す段階に入ります。
うさぎはとても繊細な動物で、ちょっとした変化や退屈がストレスの原因になります。
ここでは、噛み癖の原因となるストレスを根本から減らすための方法をご紹介します。
部屋んぽ時間を確保する
「部屋んぽ」とは、ケージの外で自由に遊ばせてあげる時間のこと。
うさぎにとって運動はストレス発散だけでなく、問題行動の予防にも非常に効果的です。
1日30分でもいいので、安全なスペースで自由に動ける時間を設けてあげてください。
毎日続けることで、ケージ内での退屈・イライラが減り、ケージを噛む回数も自然と減っていきます。
- コードや家具の保護をしっかり(誤飲や感電防止)
- 隠れ家やトンネルなど、遊び道具を置いてあげるとさらに◎
部屋んぽの仕方について、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
夜間の食事・遊びのタイミングを調整
うさぎは早朝や夕方に活発になるという性質があります。
そのため、夜中に突然活発になってケージをガジガジ…ということがよく起こります。
- 夕方に運動&遊び → 食事 → 就寝の流れをつくる
- 寝る直前に牧草をたっぷり与える(暇つぶしにもなる)
- 一晩中食べられるように、食器を満タンにしておく
このリズムに合わせて夜のごはんやおもちゃのタイミングを少しずらして与えると、満足して静かに過ごしてくれることが増えます。
かじり木・おもちゃを用意する
退屈が原因でケージを噛んでいる場合、刺激を与えてくれる「かじり木」や「おもちゃ」がとても効果的です。
最近は天然素材でできているものも多いので、うさぎがかじって食べてしまっても安心です。
これらを日替わりで与えることで、飽きずに楽しめる&ケージを噛む暇がなくなるという一石二鳥の効果が期待できます。
- おもちゃを与えてもすぐ飽きてしまう
- 遊びながら食事もしてほしい
- 日中のお留守番が多くて退屈している様子がある
我が家では、このような「かじって食べられるおもちゃ」を与えています。
バラエティタイプのセットなので、うさぎも飽きにくいです。
また、こういったタイプのかじり木をケージに取り付けるのもおすすめです。
うさぎのかじりたい欲求を解消することができます!
上級:ケージ自体の改造・買い替え
ここまでの対策でも改善が見られない場合、思いきってケージそのものの見直しを検討する時期かもしれません。
うさぎがケージを噛む原因が「材質」「形状」「設置場所」など環境そのものである可能性もあるからです。
特に成長期のうさぎや、噛み癖が強いタイプの場合は効果が高い傾向にあります。
アクリル製のケージにする
金属製ケージの金網部分をガジガジ噛むことで、歯や口の中を傷めてしまうケースがあります。
そんなときにおすすめなのが、アクリル板で覆われた静音・高級タイプのうさぎケージです。
- 噛むことができない → 不正咬合の予防
- 音が響きにくい → 夜中でも静か
- インテリアにもなじむ透明デザイン
ケージを買い替えるのは簡単ではないですが、根本的な解決方法としては効果的です。
透明な素材なのでうさぎの様子が見やすく、写真を撮りやすいというメリットもります。
- ケージを噛む音に悩まされている
- 歯の健康を最優先したい
- 落ち着いた飼育環境を整えたい
かじり防止スプレーを使う
どうしても特定の場所だけをしつこく噛む…という場合も多いのではないでしょうか。
そんなときには、苦味成分が含まれた「かじり防止スプレー」の出番です。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 絶対にうさぎの体に直接かけない
- 噛みすぎてケージに傷や変形がある場合は、先に修理を
- 木製ケージや布製部分には染み込みすぎ注意
- 毎回同じ場所を噛むクセが直らない
- ケージ交換まではしたくないが、部分的に対策したい
- 短期的に即効性のある方法を試したい
うさぎが嫌がる香りや味をケージのその部分に吹きかけることで、「ここは噛んでもおいしくない」と学習させることができます。
りんごから抽出した苦い味のスプレーを吹きかけることで、イタズラしにくくなります。
サークルで放し飼いも視野に入れる
うさぎの性格やライフスタイルによっては、ケージ中心の飼育よりも「サークル+放し飼い」スタイルのほうが合っていることもあります。
市販のサークルやフェンスを使えば、安全なスペースを確保しながらうさぎ本来の行動範囲や運動欲求を満たすことができます。
我が家でも取り入れている方法ですが、具体的には以下のようなメリットがあります。
- ケージのストレスが激減
- 自由に動けることで問題行動が減る
- 飼い主と触れ合う時間も自然と増える
- 床や家具の保護が必要(かじり&おしっこ対策)
- 毎日掃除できるようなレイアウトが理想
うさぎがケージを噛む!やってはいけないこと

うさぎがケージを噛むと、どうしても「うるさい」「やめさせたい」と感情的になってしまうこともありますよね。
しかし、間違った対応をしてしまうと、うさぎとの信頼関係が崩れたり、逆効果になることもあります。
ここでは、絶対に避けたいNG行動を3つご紹介します。
怒る・叩く
うさぎがケージを噛むたびに大きな声で怒ったり、手で叩いてしまう…
これは絶対に避けたい対応です。
うさぎは繊細で記憶力の良い動物です。
「怖い」「この人は信頼できない」と感じると、心を閉ざしてしまうことがあります。
また、体も小さいため、物理的な衝撃が大きなストレスや怪我につながる可能性もあります。
問題行動を減らすには、「罰」ではなく「環境調整」と「行動の誘導」が基本です。
大きな声で怒ったり手で叩いてしまうなどの間違ったしつけは、絶対にやめてください。

うさぎとの信頼関係を壊してしまいます
過剰に反応する
「噛んだら見に来てくれた」「かじったら構ってもらえた」と学習してしまうと、ケージを噛む行動が強化され、どんどんエスカレートしてしまいます。
特に賢いうさぎほど、「この行動をすると望んだ結果が得られる」と覚えるのが早いです。
ケージを噛んでいるときは、極力反応せず無視するのが基本。
どうしても対応が必要な場合は、噛んでいないタイミングで静かに接してあげましょう。

基本的に学習させないようにしましょう
長時間ケージに閉じ込める
噛むからケージに入れっぱなしにしよう、という対応も逆効果です。
うさぎはもともと広い空間を移動しながら暮らす生き物です。
運動不足が続くと、身体だけでなくメンタルにも大きな負担がかかります。
その結果、余計にストレスが溜まり、さらにケージを噛む悪循環に陥ってしまうことも。
運動不足を防ぐため、毎日一定の時間「部屋んぽ」などの自由な時間を設けてあげることが大切です。
運動と刺激が十分に得られることで、自然と問題行動も減っていく傾向があります。

ストレスで、余計にケージを噛んでしまいます
このように、「やってはいけないこと」は一見効果がありそうでも、長期的には悪影響が出やすい対応です。
大切なのは、うさぎの気持ちや習性を理解し、信頼関係を崩さない形で対応していくことです。
まとめ

うさぎがケージを噛む理由を理解してしっかり対策しよう
うさぎがケージを噛むのは、理由があってのサインです。
まずはその行動の背景を冷静に観察し、ストレス・運動不足・要求などの原因を見極めてあげることが大切。
うさぎの気持ちに寄り添った環境改善や関わり方の見直しが、根本的な解決につながります。
焦らず、うさぎと向き合う時間を大切にしていきましょう。
この記事が少しでも参考になりましたら嬉しいです!